粒状玄米と粉末玄米

「玄米デカフェ」はじまりのはなし〜レシピの行方と職人技~

米どころ庄内で生まれた、素朴で優しいお米の飲み物「玄米デカフェ」

前回のコラムでは、玄米デカフェのレシピができあがるまでを中心にお伝えしました。

ーなぜ玄米だったのか

ーなぜ庄内だったのか

そんなことを、知ってもらうための話しでした。

また、当時カフェインと共に休息を嗜んでいた社長が

ーなぜ、ノンカフェインの玄米デカフェを作ったのか

ーなぜ、深夜の静まり返ったキッチンからフライパンで焙煎し続けたのか

そんな、謎にも迫りました。

今回は、玄米デカフェのレシピを庄内の工場に託してからのことをお伝えします。

製造に移ってから目の当たりにした、課題や問題についてお話ししましょう。

「美味しさ」までのストーリー、ドリップして淹れる一杯のために

フライパンでの焙煎を記した、玄米デカフェのレシピ。

ここまでも大変でしたが、庄内の工場でも安直には進みませんでした。

美味しさまでのストーリー

素朴で優しいお米の飲み物「玄米デカフェ」

これは、ある種のゴールであり通過点のひとつです。

既に私達のイメージの中にある「玄米デカフェ」の完成に向けて、進めばいいだけのこと。

分かっているのにも関わらず、たどり着くまでの課題があまりにも山積みだったように思います。

まず第一に、深夜のキッチンのフライパンと工場でのオーブンを用いた焙煎では、あまりにも環境が異なります。

また、生産量もまったくことなるために手捌きもかわってきます。

とにかく、一筋縄ではいかなかったのです。

【玄米デカフェの美味しさまで】ドリップして飲むか溶かして飲むか

新たな課題も生まれました。

それは、ドリップして飲むか溶かして飲むかということ。

これまでの玄米を使った飲み物といえば、微粉末を溶かして飲むのが主流。

美味しいことに変わりありませんが、溶かして飲む玄米は口の中に微粉末が残るのが課題でした。

具体的には、玄米の飲み物を飲んだ後「水を飲まずにはいられない」といった状況。

作り手としては、それが分かっているからこそみんなの意見がひとつになりました。

ー「ドリップして飲みたいよね」と。

これがMNHの最初の挑戦となり、後に玄米デカフェの美味しさに直結します。

アトリエ玄米デカフェは「ドリップできる玄米の焙煎」へと、挑戦がはじまったのです。

「ドリップ・オン・玄米」を、庄内のアトリエから創り出すために

玄米とすり鉢

ここからの、庄内の工場でのみんなの尽力は今でも思い出せます。

ーぜひ、聞いてってください

玄米は、そのまま微粉末にしてもドリップできません。

当然ですが、玄米はお米。

お米は糊なので、ドリップするときに水を吸ってしまいます。

もう、おわかりでしょうか。

お湯を注いだドリッパーから、お湯は落ちてきませんでした。

お米の糊成分が、水を吸収してしまいます。

次に試したのは、粉末の粒度を荒くすること。

すると今度は、ドリップはできるけれど色が出ません。

ドリップしたのに、色の出ない飲み物は見た目に寂しいものでした。

ここからは、庄内の工場のスタッフ達とアクセル全開で取り組みます。

焙煎する探究者たち「玄米を焼き切る」までのこと

再現したいのは、次の2つ。

ードリップして飲みたい

ードリップしたからには、色を出したい

ここからは「ドリップしてお湯が落ちるまで」「味の安定」について、研究を重ねました。

ドリップしてお湯が落ちるまで

結果として分かったこと。

ー玄米の芯部の色が褐色に変わるまで焼き切らなければドリップに適さないということ

ー米芯部が褐色さは焦げているわけではないということ

ただ、少しでも行き過ぎると焦げてしまう。

しかし、白さが残るとまたお湯を吸い込んでしまう。

非常に絶妙なタイミングの見極めが必要でした。

ドリップして飲める玄米デカフェを求める私達。

玄米の製法のため、深い探求を余儀なくされ最適解に辿り着きました。

その職人技については、後述しています。

味の安定

味の安定にもこだわりたい。

大切なのは、玄米の粒度でした。

「味の決め手は粒度へのこだわり」

そのように述べても、過言ではありません。

粉末にした玄米の粒度が細かすぎると、苦みが強まります。

また、並行してお湯も落ちづらくなります。

かといって、粉の粒度が粗すぎると香りがでません。

ドリップのときと同じくして、ここでも難題が立ちはだかります。

ーよりよい一杯を届けたい

ーより、多くの方に届けたい

そんな想いから、こだわりを持ち玄米と向き合う日々だったように思います。

工場にレシピを託してから、今の味となるまでには約3年の歳月を要しました。

今でも「極上の一杯をお届け」するための進化は、とまることはありません。

アトリエ玄米デカフェ「玄米焙煎の職人の旅」「味覚の旅」

せっかくなので、工場で働く人々の職人技も紹介します。

米どころ庄内発の工場が、製造技術を刺激する

玄米デカフェは、経験と知見を兼ね備えた職人によって作られています。

中でも、玄米デカフェをドリップさせるためのポイントとなる製造工程

ー焼き切ること

ー焦げさせないこと

オーブンを用いた玄米の焙煎では、ここが最も重要です。

見極めのポイントは、玄米が膨らみ煙が立ち上がる、ほんの一瞬。

小澤社長が言うには「ここは、職人技。僕でも分かりません」と。

人々に安らぎをもたらす玄米デカフェ、それは揺るがない。

ただ、私達にとっての玄米とは「あるときは安らぎをもたらす」一方で「あるときは心を張り詰めた状態を与えるもの」となっている。

また、焙煎工程での試飲に至っては、絶妙な味の違いが分かる職人たちによって5回も繰り返されます。

「これで、大丈夫」そう思えるまでには、職人となったからこその頷きがあるのでしょう。

「つや姫」から「あきたこまち」へ、知るほどに面白い米から伝わるテイスト

玄米焙煎の職人達の、新たな発見もあります。

お米によって、味が異なることが分かりました。

それを知ったとき「“これ、面白いね”って、なんたんですよ」と、小澤社長。

当初の玄米デカフェは、山形を代表する米「つや姫」を使って焙煎していました。

あるとき「あきたこまち」を使って焙煎したところ、味の違いを知ることとなりました。

後に、他のお米も試しましたが、どのお米にもそれぞれの良さを突き止めます。

「いつか47都道府県の、自前の米で玄米デカフェを作れたら素敵だね」

そう、語りあうMNHからは未来が見えています。

ひとつひとつのエッセンスから、もたらされる玄米デカフェ

玄米デカフェ

MNHが自ら「美味しい」と語る玄米デカフェ。

ー選りすぐりのお米

ー職人によって培われた焙煎技術

ー商品となるまでの長い歳月

こうしたエッセンスの一つ一つが、人々のやすらぎの時間をもたらすことを願っています。

それが、素朴で優しいお米の飲み物「玄米デカフェ」です。