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寒く長い冬を経て桜の季節を終え、今、庄内には心地よい春風がそよいでいます。 5月のこの時期、ここ庄内
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まだ白さが残る月山。 4月になり残雪もようやく解け始め、田植え前の耕された田園を吹きぬける風もやわら
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三寒四温を繰り返し徐々に現れる春の気配を探す3月。 ニュースでは桜の開花予想が流れ、街ゆく人の装いも

庄内の水田にきらめく水鏡

寒く長い冬を経て桜の季節を終え、今、庄内には心地よい春風がそよいでいます。
5月のこの時期、ここ庄内は田植えの季節を迎えようとしています。

田植え前の今、庄内の田園一帯には、この時期だけの美しい光景が広がります。
美味しいお米を作るのに大切な水。山に囲まれている庄内平野には鳥海山、月山などからの豊富な雪解け水が流れてきます。
ミネラル、栄養いっぱいの雪解け水が用水路を使って田んぼに張られた光景はまるで空に浮かぶ雲を映す鏡のよう。
爽やかな風にキラキラと揺らめく水鏡。これは水が張られ稲が植えられるまでの2週間程度の束の間の景色なんです。

庄内の田園を水鏡に変えてくれる冷たくて美味しい雪解け水。
寒い冬の間に降った雪の恵みの水です。ただ、今年は例年に比べて雪が少ない冬でした。
ゴールデンウイークには鳥海山の残雪で春スキーを楽しむこともできたようですが、今年の雪不足が田植えにどう影響するのか少し心配もしています。
私たちをどこか懐かしく穏やかな気持ちにさせてくれる水面に映る雲や、夕日の美しさをこれからもずっと見られますように。

さくら舞う春の庄内(No33)

まだ白さが残る月山。
4月になり残雪もようやく解け始め、田植え前の耕された田園を吹きぬける風もやわらかく感じます。
雪が解けて暖かくなるこの時期の庄内は桜咲く春の景色に包まれています。

庄内の桜、今年は暖冬の影響で開花がかなり早くなるのでは?と予想されていましたが、3月になって雪の日が増えて、寒い日が続いたこともあって平年通りの開花になりました。
庄内では4月の2週目あたりから各地で桜が咲き始め徐々に満開を迎えようとしています。
今年は例年より10日も開花が遅かった関東の桜に、庄内の桜が追いついた珍しい春なんですね。

数々の桜の名所を誇る庄内ではこの時期、各地で桜まつりが開催されます。
「日本さくら名所100選」にも選ばれている鶴岡公園では、ソメイヨシノをはじめ、八重桜、シダレザクラなど700本以上の桜が咲き、夜にはライトアップも行われ夜桜の名所としても有名。ぼんぼりにライトアップされた夜桜はうっとりする美しさです。

桜まつりでは、桜を目で見て楽しむのはもちろんのこと、会場で開催されている庄内の自然の恵みを味わうマルシェで春の味覚を楽しむのもおすすめ。
春は、寒さ厳しい冬の間に蓄えられた栄養で野菜などが一気に成長します。この時期のフレッシュな庄内の春の恵みをいただくと春の訪れを身も心も喜んでいるみたい。
約1カ月にわたり庄内各地を薄ピンクに染める桜。心地よい春の陽気を感じながら楽しみます。

庄内に訪れる遅い春(No32)

三寒四温を繰り返し徐々に現れる春の気配を探す3月。

ニュースでは桜の開花予想が流れ、街ゆく人の装いも軽やかです。
ですが、ここは庄内。真冬のコートが重たく感じるようになるのはもう少し先のこと。
東京では今月半ば過ぎには桜が咲く小春日和になりそうですが、庄内の3月はまだ冬らしさが残っていて、まとまった雪が降ることもあります。
まだまだ寒いこんな庄内。ですが春は着実に近づいてきているんです。

白鳥の飛来地として知られる庄内地方。ここで冬を越した白鳥たちの「北帰行」が始まりました。
雪交じりの風が吹く中、白鳥たちは身を寄せ合ったり羽を広げたりしてウォーミングアップ。白鳥たちは、春の訪れと共に早朝にロシアなどへ飛び立っていきます。
白鳥を見送るこの季節、里山ではもうひとつの春が芽吹いています。

鳥海山と出羽三山に抱かれ森林が約7割を占める庄内は山の幸の宝庫。
山菜やきのこなどの山の恵みをたっぷり楽しめるんです。
標高の低い里山では3月に入るとふきのとうが顔をのぞかせます。それを追うようにかたくりが花を咲かせ、行者にんにく、こごみ、タラの芽、わらびなどが次々と育ちます。山形は、わらび生産量日本一なんですよ。

山も平野も全てが白い雪に覆われる長く厳しい冬が過ぎ、雪解けと共に土から顔を出し春を知らせてくれる山菜は、雪解け水をたっぷり含んでみずみずしく育った山の恵み。

庄内では、この年に一度の短い旬が、爽やかな香りと共に待ち望んだ遅い春の到来を告げてくれます。

とはいえ、これは例年のこと。今年の庄内、暖冬の影響で雪が全然ない冬でした。

今年は少し速足で春がやってきそうな予感です。