アトリエ玄米デカフェ|atelier GENMAI DECAF

田園風景の中に感じるお米への思いと歴史 (No.19)

COLUMN

庄内平野に一面の水鏡が広がり、いよいよ田植え。
水を張った田んぼの中にはまだ背の低いお米の苗がお行儀よく整列し元気に根をはり始めます。
でも、知っていますか?
田植えの直後、新しい根が出るのを助けるために田んぼの水をやや深め(5cm)くらいにして寒さや風から苗を守ること。
そして、若い苗が根付いたら、今度は、日中は浅く、夜は深くして稲の成長を促すこと。
稲が大きくなるまでは水を管理し、田んぼの雑草から守っていることを。

誰の心にも響くような美しい田園風景。
最近は、田んぼに浮かぶホテルと称した田園ビューを楽しむ宿泊施設も誕生しています。
これほどに、私たちを魅了するこの景色の背景には、農家の人たちの苦労や、お米への深い思いがあることを知ると、田んぼの水面の鏡にも美しいだけでない何か特別なものが映って見えてくる気がします。

ちなみに、庄内地方の田んぼで特徴的なのが、まるで、ものさしで線を引いたようにきれいな長方形。
これは、明治時代末期から大正の初めに田んぼの耕地整理を行ったから。田んぼを長方形にすることで農業機械が使いやすくなり生産力が向上したそうです。

いま、私たちが目にする田園風景の中に詰まっているたくさんの歴史を、美しい景色と一緒にこれからも大切にしていきたいと思います。

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