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神秘の滝、鳥海山の伏流水(No.23)

COLUMN

鳥海山は、日本海沿岸にそびえ、そのシルエットから別名、出羽の富士ともよばれる美しい山です。
海岸沿いにある珍しい地形によって、日本海からの湿った空気が一気に山肌を駆け上がり、多量の雨や雪を降らせます。年間の降水量がとても多く、長い歳月をかけ雨や雪解け水などを染み込ませてきた鳥海山からは1日5万トン以上もの水が湧いています。
この湧水は「元滝伏流水」と呼ばれ、平成の名水百選に選定されています。

「元滝伏流水」は、一見滝のように見えますが、実際は鳥海山の伏流水。
今から約10万年前に流れ出したとされる伏流水が、今でも岩肌一体から絶え間なく清流を噴き出し続けているんです。
「元滝伏流水」の水温は1年を通して10度程度と低いのが特徴。その冷ややかな水温と鮮度から、川魚だけでなくサンショウウオなど多くの生き物が暮らしています。

 

豊かな自然と豊富な湧き水によって生み出された、鳥海山の大自然。一年を通して多くの方がここへ足を運びます。壮大に広がる深緑の苔、ゆるやかに流れる白い水しぶき。
夏のこの時期は、寒暖の差が生み出す霧のカーテンを見ることができ、カメラ愛好家の方々には神秘的なスポットとして愛されています。
山頂付近は夏でも雪が残っているので、サマースキーが楽しめるのも魅力のひとつです。

秋には紅葉に包まれた景色が広がり登山家の方々も年間を通して訪れます。鳥海山は水の聖地として人々を魅了し続けています。
また「元滝伏流水」の水量は年間を通して安定していて、庄内の人々の生活用水や農業用水として暮らしにも寄り添っています。鳥海山の湧き水と人々が互いを守りながら暮らしてきた証がここにあります。そして、鳥海山の湧き水がもたらした大自然は、日本の多くの方々を魅了し続けています。

庄内を訪れた際には、ぜひ鳥海山の元滝伏流水を訪れてみてくださいね。

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