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旬を味わう真冬の庄内(No31)

COLUMN

旬を味わう真冬の庄内(No31)

降り積もる真っ白な雪。美しい雪景色が冬の風物詩でもあるここ庄内ですが、今回は食の都としての冬の庄内をご紹介します。
山形県の日本海側に位置する庄内は、海の幸、山の幸から日本酒まで年間を通してさまざまな食を堪能できるのですが、実はツウな美食家が訪れるのが今、真冬のこの時季なんです。

冬の庄内で是非味わいたいのが、庄内地域を代表する冬の味覚―寒ダラ。
冷たく荒々しい日本海に揉まれた真冬のマダラは身がしまっていながら脂乗りが良く、一層美味しくなるんです。庄内の各港で水揚げされるこの時季のマダラを寒ダラと呼び、この寒ダラを使った料理が、「寒ダラ汁」です。


寒ダラ汁は、白子やたらこを抱いて大きく育った寒ダラを頭からしっぽまで骨ごとぶつ切りにして鍋で煮込みます。まるまる肥え太ったマダラのすべてが詰まった美味しい料理で、鱈の風味を引き立てる岩ノリをトッピングして味わいます。
ふっくらした鱈が口に含むととろっと溶けだしてクリーミー。一般的に馴染みのある鱈鍋とはまったく違う庄内自慢の料理です。
この時期になると、スーパーの鮮魚売り場には「寒ダラ汁セット」的な名前であらかじめさばかれた状態の寒ダラが登場するほど、寒ダラ汁は庄内人にとって馴染みある家庭の味。欠かせない冬の味覚なんです。
この寒ダラ汁、町の料理屋さんや、お寿司屋さんでも味わうことができるのですが、もう少し特別にイベント的に楽しむことができるのが、鶴岡市、酒田市など庄内各地で行われている「寒ダラまつり」。
雪の降る寒空の下でアツアツの寒ダラ汁を味わって、心も体も温まる、寒ダラまつりは、いわば真冬のフェス!地吹雪の中開催なんてことも。
厳しい真冬の日々を楽しませてくれる寒ダラ汁。いつまでも大切に繋いでいきたい郷土料理です。
そして、そんな寒ダラ汁とも相性抜群、忘れてならないのが日本酒です。
米どころの庄内は、豊かな雪解け水に恵まれ酒造りに適した美味しい酒どころでもあります。
真冬の今はまさにしぼりたての新酒が出回る時期、珍しい日本酒に出会える!なんてことも。新米で醸される新酒は、一般的に1月から3月くらいまでが楽しめるチャンスです。
初しぼり、しぼりたてという言葉で表される新酒は、出来立ての日本酒特有の少しピリッとした感じとフレッシュさが魅力。
新酒の香り高くみずみずしい味わいを寒ダラ汁と一緒に楽しむ。これが庄内の冬の楽しみ方です。

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